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  第4回 著作権ってどんな権利?

 

  何かを創作した人は、その創作物について「著作権」という権利を持ちます。では、著作権とはどんな権利なのでしょうか。著作権を持っていると、どのようなことが主張できるのでしょうか。第4 回では、著作権とはどのような権利であるのか考えましょう。


著作権という権利
  著作権者は、自分が創作した著作物に対して、法律上規定されている権利を有します。いい換えれば、基本的に著作権者は法律に記述されている権利だけを有するということです。
 では、法律に記述されている権利にはどのようなものがあるのでしょうか。
 まず、代表的な権利として「複製権」(第21 条)があります。文字通り「複製をする」権利です。この権利を持つと、その著作物について「複製」をすること、すなわち、コピー機でコピーをすることやインターネット上からダウンロードすることなどが、その「権利者のみ」に許されることになります。ですから、他人がその著作物を「複製」したい場合には、著作権者に許可を求めなければなりません。著作権者は、他人に対してその著作物の複製を無償でさせるか、有償でさせるか、一部分だけ許可するか、全く複製を許可しないかなど、全てを決定することができます。
 ここで、「あれ?著作権者にいちいち許可を取らないでレポートのために本などをコンビニで少しだけコピーしているけれど、法律違反なのかしら」と心配になった方もいると思います。ただ、この場合、本などの一部分を自分が利用するために、著作権者の許可を得ず勝手に複製をしてもよいと、法律のうえで権利が「制限」されているのです。これを「権利制限」といいますが、このことについては次回以降に説明しましょう。

どのような権利があるのか
 そのほか、著作権には、複製権(第21条)のほかに次のような権利があります。
 楽曲をコンサートホールや路上などで大勢の人に向けて演奏をする「演奏権」
(第22 条)。また、DVD 等を使用して店舗でプロモーションビデオなどを流す「上演権」(第22 条)。さらに、サーバに著作物をおき、インターネット配信を行うことのできる「自動公衆送信権(送信可能化権も含む)」(第23 条)があります。ですから、他人の著作物を勝手にインターネットで配信するということは、まずサーバにその著作物をデジタル化して保存するという「複製権」、さらにそれらを配信できる状態にして配信すること「自動公衆送信権(送信可能化権も含む)」を侵害することとなります。
 さらに、「翻案(ほんあん)権」(第27 条)があります。これは、ある著作物をもとに新しい著作物を作ることができる権利です。もととなる著作物に関して翻案権を持つ者だけがその著作物をもとに新しい著作物を作成することができます。英語の本を翻訳する行為も翻案のひとつです。
 そして、これらの権利は、権利者が譲渡をしたり許諾をしたりすることも、権利者の自由となります。他人の著作物であっても著作権者の許可さえ得られれば自由に利用はできることになります。

美術品を所有している人は、著作権を持つ?
 さて、美術館で所蔵している美術品について見てみたいと思います。美術館は某画家の絵を所蔵しているのですから、その著作物を「物理的に」所有する権利を持っているのですが、著作権はどうでしょうか。美術品はもちろん著作物ですから、創作した人に著作権があることになり、某画家に著作権があることになります。また著作権者には、展示権(第25条)があり、その絵を公に展示することについても決定することもできます。もちろん、某画家が著作権を美術館に譲渡していれば話は違います。
 それでは、美術館はせっかく所有した作品の展示について、著作権者である画家に許可を得なければならないのでしょうか。通常は、美術館は許可を得る必要はありません。著作権法45 条1 項で「美術の著作物・・・の原作品の所有者又はその同意を得た者は、これらの著作物をその原作品により公に展示することができる。」と規定されています。絵の所有者であれば展示権に縛られることなく、その絵を展示することが可能となっています。ただ、その絵を複製してポスターを作成したり、ガイドブックを作成する場合は、複製権などが関わってきますので、別途著作権者である画家に許諾をとる必要があります。
 今回は、著作権とはどんな権利なのかについてご紹介しました。次回は、そんな権利を持っている権利者の権利が制限される場面について考えましょう。


※この記事は『ミュゼ VOL.90』(2009.10.25発行 株式会社アムプロモーション)からの転載です。

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