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  第7回 映画の上映、CD演奏、演劇上演、本の読み聞かせ
      ―気をつけるべきことは?

 

  美術館のワークショップでは参加者に対して、市販の映画DVDやテレビ放送の録画などを上映することがあります。また、ワークショップ中に市販のCDをかけて聴かせたり、またはBGMなどとして流したりすることもあるでしょう。さらに、プロの演奏家に楽曲を演奏してもらったり、参加者に市販の楽譜をもとに楽曲を演奏させてお互いに聴き合ったりすることもあります。プロの演劇集団に演じてもらったり、市販の脚本を利用して参加者が演じたりすることもあるかもしれません。さらに本などを読み聞かせるということもあります。このような利用において、著作権法上どのようなことに気をつける必要があるのでしょうか。
 今回は、著作物を無形的に利用する、上映、演奏、上演、口述という権利について考えます。


上映、演奏、上演、口述
  著作権者は、上記の上映、演奏、上演、口述について権利を持ちますが、著作権法第38条では、ある条件のもとで利用者が自由にこれらの行為をしてよい場合を規定しています。それは、それらの利用が「非営利目的」で「無償」の場合です。

自由に上映、演奏、上演、口述が出来る場合
 著作権者は、上記の上映、演奏、上演、口述について権利を持ちますが、著作権法第38条では、ある条件のもとで利用者が自由にこれらの行為をしてよい場合を規定しています。それは、それらの利用が「非営利目的」で「無償」の場合です。
<非営利目的と無償>
 とはいえ、入場者から入場料を取らない場合でも、何かの製品のプロモーションなどである場合は、営利目的となります。また、例えば美術館における子どものための教育目的ワークショップで参加費が無料であっても、ワークショップでプロの演奏家に演奏してもらい、その演奏家に報酬が支払われる場合は、第38条は適用されません。小学校や中学校における音楽鑑賞会などでプロの演奏家を呼ぶ場合も、演奏家に報酬を支払う場合も第38条は適用されず、演奏された楽曲の著作権者全てに許諾を取り、著作権料を支払う必要があります。
<複製、改変は別の問題>
 学校や美術館などでテレビ放送を組織的に録画してライブラリ化し、ワークショップなどに利用しようとしているかもしれません。この場合、利用する目的が非営利目的・無償のワークショップであったとしても、録画する(複製する)ということに対しては、上記の第38条が適用されません。組織的に複製行為を行っているため私的複製とは言えず、美術館で組織的にあらかじめテレビ放送を組織的に録画することは、権利者の複製権を侵害することとなります。テレビ放送の録画を上映したい場合は、ワークショップ運営者等が個人的に放送を録画していたもの、あるいは新たに録画したものに(この場合は、私的複製であるため権利侵害とはなりません)限られます。
 また、映画、テレビ放送、音楽を編集したものを上映・演奏する際、改変に関する許諾を取る必要があります。第38条には改変することは含まれていないからです。
 第38条は、あくまでも現在そこに存在する著作物について、非営利目的・無償において、著作物を現物そのまま公衆に対して伝達する行為について適用されます。
 次回以降は、インターネット上における著作物の利用について考えて行きたいと思います。


※この記事は『ミュゼ VOL.94』(2010.10.25発行 株式会社アムプロモーション)からの転載です。

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