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公開研究会 シリーズ 2 「ワークショップのパッケージ化と知財」

レポート/開催概要

 

2008年3月30日にシリーズ第2回となる公開研究会は、東京大学本郷キャンパス内に竣工して間もない福武ホールで開催しました。今回のテーマは「ワークショップのパッケージ化と知財」。パッケージ化に取り組まれた企業2社による事例報告、そして5回シリーズの1回目となる知財入門講座、また夜の部では飲みながら食べながら出席者みんなでワークショップを楽しみました。

東京大学情報学環・福武ホール

◎開会挨拶
 大月ヒロ子(ワークショップ知財研究会座長・IDEA,INC.代表)

実のところ当初集まったメンバー自身が、これほどまでに知財に関わる問題があるとは思っていませんでした。ただフランクにいろんな視点や経験を語るうちに、あれもこれもと次々と知財がらみの問題が挙がってきたのです。とくにこの10年の間にワークショップを取り巻く状況は大きく変貌し、さまざまな問題を内包していることが分かってきたのです。

大月氏は、知財研究会がスタートした2年前を振り返りこう語った。
公開研究会の2回目となる今回は、ワークショップの現場の声にフォーカスをあてた会議にしたい。現場が直面している具体的な問題や課題を、みんなで一緒に考えていきましょう。そして夜の部は食事とワークショップを通して、参加者同士の交流もぜひ深めていって欲しいと呼びかけた。
 

◎テーマ概説「ワークショップのパッケージ化、その背景」
 橋本知子(ワークショップ知財研究会事務局・株式会社文化総合研究所)
 
パッケージ化されたワークショッププログラム提供を望む声の高まりの背景には、世の中が「新しい学び・多様な学び」を求めて、参加体験型の活動であるワークショップに大きな期待を寄せていること。また実施者であるミュージアムなどの文化施設運営者は、指定管理者制度の導入などにより一層のサービスの充実と経費の効率的な活用を求められていることなどがあると、橋本氏は説明した。
それらのニーズに取り組む企業・団体も少しずつ生まれつつあり、またワークショップを自ら企画実施したいという人も確実に増加している。しかしながら、それぞれの立場でワークショップに対する期待値が高いのに、マッチングの機会がまだまだ少ないという現状と、「知財」という大きな課題が残されている。
オリジナリティやクオリティを守りながら広めていくこと、かつ経済的価値を評価された上での流通は可能なのか?ワークショップの知財について、今度のよりよいあり方を今だからこそ考えていきたいと思う、と問題提起した。


◎事例報告1 「おうちワークショップ『ヒラメキット』の開発」
 安永哲郎(コクヨ株式会社 RDIセンター)
 
事例1つめは、コクヨ創業100周年を機にスタートした「ひらめき支援事業」のもと開発された『ヒラメキット』について安永氏より紹介された。
安永氏は、「場と時間の制約を越えた機会の提供」のためのさまざまなワークショップのパッケージ化に取り組み、これまでに5種類のヒラメキットを完成。メーカーという立場からワークショップを客観的に見つめ直し、その本質をパッケージ化していく上での経緯を詳しく説明した。
課題として「知財・要素・対価」の3つをあげ、知財については“知っていること”を教えてもらうための約束である「ノウハウ実施許諾契約書」を作成し取り交わしたこと。発案者であるアーティストらの権利保護のために、各々のワークショップを定義し、相手先が独自に知っていることを細かく特定していく。書面で表しきれない場合でも、お互いが納得するまでとことん話し合うことで問題を解消し、信頼感の上で価値を提供してもらっていると語った。
最後にワークショップのパッケージ化については、「完全にはできない」が「ひとつのソリューションとしては可能」であると考えている。今後はユーザーに対して次のワークショップへ自発的に参加してもらうためのサポートも考えていきたい。今後もメーカーとしてのチャレンジを続けていきたいと締めくくった。
 

◎事例報告2 「CAMPACOの開発」
 北川美宏(株式会社CSKホールディングス 社会貢献推進室)
 
事例2つめは、企業の社会貢献活動として7年間で30数種のオリジナルワークショップを開発したCAMPが開発したパッケージ「CAMPACO」について、北川氏より紹介された。
「たくさんのこどもたちにワークショップを届けたい」という想いから開発されたCAMPACOは、キットとファシリテーター研修がセットになったパッケージであり、希望する団体に無償で貸出しを行っていること。開催にあたってはスタッフが現地に赴き、開催団体に対して細かなサポートを行うなど、品質と継続性を保つために工夫された仕組みであると説明した。
さらに開催においては、まず「利用ガイドライン」でコンセプトや知財の尊重について同意してもらった上で、「CAMPワークショップ開催に関する基本契約書」を取り交わすといった一連の流れを定型化し、開発者であるCAMPの知財を守る努力をしながらCAMPACOを提供していることを強調した。
今後はCAMPACOのノウハウを活かして、CAMP以外のワークショップのパッケージ化支援も行っていきたい。それには知財の定義、保護、活用、流通の問題を早期にクリアしていく必要があると投げかけた。
 

◎知財入門講座 「知的財産権 −著作権法と著作権」
 井上理穂子(慶応義塾大学総合政策学部非常勤講師/国立情報学研究所)
 
教育に関わる著作権について研究を進める井上氏は、知的財産権の構造や歴史、内容、目的などについて詳しく説明した。
著作物とは「思想又は感情を創造的に表現したものであって、文芸、芸術、美術または音楽の範囲に属するもの」(第2条第1項第1号)であり、著作権法では「アイデア」は保護の対象ではない。あくまで「表現」が対象であると指摘した。また著作権法は文化の発展を第一の目的としている法であり、保護と公正利用が使命であることや、相対的独占権についてなど、特許法と比較した著作権法の特徴についても触れた。
ワークショップ知財に関する契約書は、現段階ではケースバイケースで対応することにより可能である。契約書の内容は、誰が何の目的でその創作物を創作してどのように利用していくのかを明確にしていくとよい。契約を結ぶ際にそのような点を話し合うことで、お互いの目的がはっきりしてくるはず。まずは自分たちの活動を見直してみることから始めて欲しいとまとめた。

◎閉会挨拶
 田村 拓(株式会社CSKホールディングス 常務執行役員 社会貢献推進室長)
 
本研究会の発起者である田村氏はこの知財研究会の意義について、誰かがワークショップに関わる創作やアイデアを守ろうとした時、それが守れるという環境をつくることと語った。ワークショップが一過性ではなく持続していくためには、経済合理性が求められる。それはアートを阻害するものではなく、携わる人の成果が守られるということであり、結果として文化が守られるということだ。ワークショップを取り巻く環境は、今大きな変化の中にある。その中にあって私たちはもう少し法律を勉強する必要があるだろう。
ワークショップをより健全に広く普及していくためには、しっかりとしたプラットフォームが必要である。ワークショップそのものも大事だが、その周辺についても同じように大事であると結んだ。


〜夜の部〜
Cafe Chizai + WORKSHOP 「すいそく・こうさく!ぷくぷく島図鑑」


夜の部では、すいそく・こうさく!ぷくぷく島図鑑ワークショップが開催された。参加者は8つのグループに分かれてぷくぷく島に住む不思議ないきものづくりに熱中し、にぎやかなひと時となった。
Cafe Chizaiにはワークショップをイメージした料理の数々が並べられ、見て嬉しい食べて美味しいぷくぷく島フードが参加者を楽しませた。


 
 
   
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